ファンタジックワールドを紡ぎ出す女性カメラマン・ 四方あゆみさんINTERVIEW 第5回(全9回)

大学卒業後、翻訳家になるためにロンドンに戻る資金を作るため、とりあえず撮影スタジオに就職した四方さん。スタジオとは別に個人的に撮影仕事も入り、ついにスタジオを退職。そしてその後は……。

©Ayumi Shikata

四方あゆみZINE#04『snow white』より
モデル★中村里砂、スタイリスト★相澤 樹(LUCKY STAR)、 ヘア&メイク★橘 房図


第4回

翻訳家になりたかったはずなのに……?
もう心はロンドンに戻れなくなっていた。

ーーその後は仕事は順調に入るようになったんですか?

四方 スタジオからの給料が入らなくなったので、営業に行かなくちゃと思い、ファッション誌、とくにティーン向けのものが好きだったので『Zipper』『CUTiE』『Seventeen』編集部に営業に行きました。その3誌から仕事をいただくようになってからは、『Milk』(子供向けファッション雑誌)、『MEN'S NON-NO』(男性向けファッション雑誌)などから声を掛けてもらうようになりました。

ーーそれから現在に至る感じですか?

四方 そうです、途切れることなく。

ーー実力と運があったと言えますね。

四方 でも私としては、カメラマン仕事はそもそも、翻訳家になるための留学用資金のためだったわけです。それでその後は外国に撮影やプライベートで行くようになっても、気持ち的にロンドンだけは足を向けられなくなってしまったんです。

ーーそこでもう一度翻訳家の道を目指すという選択はなかったのですか?

四方 英語力がないので、もう無理だと思いました。

ーーそうですか。でも途中まで学びつつ志半ばで諦めたことも、そんなに悪くなかったような。たとえば、翻訳家レベルではなくても、雑誌『Milk』などで外国人モデルを相手にする時は、英語が役に立っていますよね。

四方 それが子供モデル相手だと、一緒にやってきたお母さんに前置詞など直されて。「もう英語をしゃべるのやめよう」って自信喪失するくらいでした……。

ーー(笑)。でも今まで歩んできたこと全てが、四方さんの人生の土台を築き、今に繋がっているように思えます。そして特に子供時代に夢中になって読んだ童話が、作風を作っている点は大きいですね。

四方 そうですね。結局自分が一番親しみやすいのがファッションより童話だったんでしょうね。だって田舎に住む中・高校生だった私が大好きだった雑誌『Olive』は、ハーフや外国人モデルばかり。彼女達の白いワンピースを着て、花冠を持ってぐるぐる回っていたりする姿ばかりが今もずっと目に焼き付いているのですから……。

ーー次回は、いやいや(?)ながらカメラマンワークを続けていく四方さんが、自分自身だけの中にある「何か」に気が付く。そんなお話を伺います!


四方あゆみ(しかたあゆみ)Profile

愛媛県松山市出身、日本大学芸術学部写真学科卒業。1997年代官山 スタジオ入社、1999年よりフリーランスとして活動、現在に至る。ティー ン向けファッション雑誌、子ども向けファッション雑誌、メンズファッシ ョン雑誌などで独特の写真を発表して、モデルやアーティストにも多く のファンを持つ。2年前に初のZINEに挑戦、現在まで7冊を刊行し話題 に。2019年8月には初めての個展を開いた。Rooster所属。

Instagram : https://www.instagram.com/shikata_a/

Twitter : htpps://twitter.com/SikataA

取材★鈴木真理子