ファンタジックワールドを紡ぎ出す女性カメラマン・ 四方あゆみさんINTERVIEW 第3回(全9回)

ティーン向けのファッション雑誌や、キッズ向けファッション雑誌を中心に活躍してきた女性カメラマン・四方あゆみさん。独特の作品を作り続ける彼女に、今回は、大学生時代とその後の就職について伺います!

©Ayumi Shikata


雑誌『MilK JAPON』(アマナ)より 
写真★四方あゆみ
©MilK JAPON


第3回

希望の大学の学部に落ち、ロンドンのクラブで遊びほうけて……。
カメラマンになる気は全くなかった。

ーー前回は、幼い頃の四方さんはカメラマンになる気は全くなく、外国のお話(童話)が好きで、翻訳家になりたかった、ということを話してくれましたね。 

四方 はい。イギリスに行って、魔法関連の童話か小説を探して出版したいと考えていました。それで絵本やキャラクターを扱う雑誌の『MOE』を買い始めたところで、『MOE』の編集者もいいかなと思っていたんです。そしてさらに……。

ーーさらに?

四方 少女向けファッション雑誌『Olive』も大好きで。『Olive』を初めて見た時「つまらない毎日を過ごしてるけど、この世にこんな世界が存在するなら頑張ろう」って思えたんです。

ーー童話との次にファッションとの出会いがあったんですね! 

四方 はい。で、将来は『MOE』編集部に就職できなかったら『Olive』かな、とかって、ふわっと(笑)。それで日本大学を受けたんです。

ーー日大は、有名なカメラマンをたくさん輩出していることで有名です!

四方 それが文芸学科を受けて、落ちてしまって。でも写真学科に合格したので、とりあえず写真学科に入って、その後文芸学科を受け直そうと思っていたんです。が、大学に入ったら遊びほうけてしまい、そのまま写真学科にずっといることになりました。

『The little match girl other story』より

モデル★黒宮れい、スタイリスト★相澤 樹(LUCKY STAR)、 ヘア&メイク★橘 房図 、写真★四方あゆみ


ーーどんな遊びをしていたんですか?

四方 その頃クラブシーンが熱くて、クラブに。1年休学してロンドンに語学留学もしたのですが、実はヨーロッパのクラブに行きたかったからなんです。で、帰国してからまたすぐロンドンに戻るつもりだったんですけれど、大学の単位が不足していたので、とりあえず単位を習得して卒業して、写真スタジオに就職したんです。お金を貯めてから、ちゃんと翻訳家としての勉強をするために、また留学しようと思っていました。

ーー資金稼ぎのための就職だったんですね。

四方 それがスタジオで働き始めて半年で、個人で仕事を受けるようになり、すごく忙しくなってしまって。ちゃんとカメラマンになる気なんてなかったのに、結局ここでカメラマンになっちゃったんです。

ーーどういう経由で、個人で仕事が入るようになったんですか?

四方 学生時代、撮影した写真を絵はがきにして、皆に配ったりしてたんですよ。その頃から女の子を撮影するのが好きだったので、ヨーロッパの少女の写真とかをプリントして。そしたら受け取ってくださった人の中に、グラフィックデザイナーの人がいて、「四方さんの写真を、CDのジャケット写真に使いたい」って言ってくださったんです。

ーーすごい! 作品でチャンスを掴んだんですね。

ーー次回は、駆け出しのカメラマン・四方さんが、どのようにキャリアを積み、今の仕事のスタイルを作っていったかをお伺いします! 必読ですよ!



四方あゆみ(しかたあゆみ)Profile

愛媛県松山市出身、日本大学芸術学部写真学科卒業。1997年代官山 スタジオ入社、1999年よりフリーランスとして活動、現在に至る。ティー ン向けファッション雑誌、子ども向けファッション雑誌、メンズファッシ ョン雑誌などで独特の写真を発表して、モデルやアーティストにも多く のファンを持つ。2年前に初のZINEに挑戦、現在まで7冊を刊行し話題 に。2019年8月には初めての個展を開いた。Rooster所属。

Instagram : https://www.instagram.com/shikata_a/

Twitter : https://twitter.com/SikataA

取材★鈴木真理子

tulle(チュール)

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