連載 x≒Lolita Lab by ISEYA 第8回

御晩でございます。ISEYAです。

前回を読んでいただいた皆様、そして初めての皆様、今回も楽しく新しいロリータファッションを生み出していきたいと思います!


12月、早いものでもう一年が終わろうとしています。

寒さも本格的になり、ヒートテックが見えてしまうので姫袖が着辛い季節になりました。ファッションは我慢と言いますが、風邪をひくのはよくないですね。

さて、12月といえばクリスマスです。お店もどんどんクリスマスグッズを売り出すようになり、クリスマスケーキの予約も開始されています。どんどんクリスマス一色に変わる街並みはとてもワクワクしますね。皆様はどんなクリスマスを過ごしますか?


さてクリスマスといえば、日本ではイブの方が盛り上がる傾向にあります。

実はクリスマスイブとは『クリスマスの当日の夜』のことを言います。ユダヤ暦では日没から日没までを一日とするので、前日の24日の夜もクリスマスに含まれます。その影響から24日そのものがクリスマスイブという認識が広まり、そしてバブル期のメディアの影響もあり、24日が盛り上がるようになったとか。


本来何もないはずである12月24日をなにかと特別視する日本、

今回はその12月24日にあった出来事をフィーチャーしていきたいと思います。


ところで皆さんは中国はお好きですか?

ロリータですと最近は中華ブランドがとても活発で中華ロリータなど注目されていますね。

そんな中国と距離が縮まってきた昨今ですが、12月24日はある中国の武将の命日でもあります。

中国後漢末期に活躍した武将『呂布』です。 



呂布とは

数々の輝かしい戦歴で最強の名を物にし、そして多くの者を裏切りー壮絶な人生を歩んだ武将となります。中国の歴史小説『三国志』でもとても人気な武将です。


呂布は現在の内モンゴル自治区である并州五原郡九原県で生まれ、秀でた戦闘力を買われた呂布は并州刺史の丁原の会計役を務めていました。

そんな中、当時の首都である洛陽で権力を誇示しようとする董卓がいました。丁原と董卓が衝突すると、呂布は丁原を裏切り暗殺、そして董卓に仕えるようになりました。董卓は呂布と養子縁組を結ぶほど重宝し、傍にいることを良いことに悪政を繰り返しました。

ですが、董卓の悪政は長く続かず、やがて董卓に反旗を翻そうとする者たちが現れました。そして朝廷の有力者である王允の誘いの元、呂布は董卓を裏切り殺害しました。この裏切りの理由については諸説があり、未だに謎のままです。

その後王允と政権を握っていた呂布でしたが、董卓の仇討ちを企てた郭汜と李傕に襲撃を受け、逃亡をすることとなります。

各地を転々としていた呂布は袁紹や劉備など数々の者を頼っては暴挙や裏切りを繰り返しました。

徐州を支配するまでなりましたが、皮肉にも最期は部下に裏切られ曹操に処刑されました。


とても傲慢で狡賢く、最期は破滅してしまった呂布の生涯。

お世話になった人へ義を欠くことは、破滅に繋がるのだという人生の教訓もありますね。


ですが、この『目的のために手段を選ばすのし上がる精神』は、ロリータを着る上でもとても参考にすべき精神だと思います。

ロリータは一般的には珍装です。守られた秩序を混沌に陥れると認識する人もいます。そして心無い人がまるで罪人に石を投げるかのように暴言を吐き、心を砕きます。

ですが、もし呂布がロリータだったら世間の目も言葉きっと気にしません。我を信じ、原宿以外のどんな道でもつき進むでしょう。

そんなハートの強さを呂布には感じます。

ということで今回はこの呂布の強さをテーマにロリータに落とし込んでいきたいと思います。



Style 8『天下無双』


京劇がなんたるかも解説したかったのですが、良いフリー素材が無かったのでお手数ですがご自身でお調べいただけると幸いです。煌びやかな細かい装飾にはとてもうっとりします。最近では京劇をテーマにしたブロマンスドラマもあるので中国ではポピュラーみたいですね。(京劇ブロマンス『君、花海棠の紅にあらず』は12/29から再放送もありますので興味がございましたら是非)

そして呂布には忘れてはいけない相棒赤兎馬がいます。

「人中有呂布 馬中有赤兔(人中に呂布あり、馬中に赤兎あり)」

赤兎馬は1日に千里走る常人には乗りこなせない暴れ馬と言われていました。最強と最強の組み合わせはカッコいいですね。


いかがでしたか?

歴史というものは学ぶことがとても多く、考え方によっては人生に活かすことができます。

呂布のような強い精神性を持ちながら、誰にも屈しない強くて甘いロリータライフを桜花したいものですね。



次回は1月1日更新予定!

次回の更新をお楽しみに!



〈Profile〉

ISEYA

ロリータファッションの魅力の虜囚となり、ルナティックな絵や漫画をインターネットで発信し続けている。臥竜鳳雛。

本連載では昨今のロリータファッションと東洋史学を組み合わせながら、新たなスタイルを全力妄想!

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